不動産価格って?
「売却したいのですが、一体幾らするのか?査定書を作成してください。」という相談があります。実際、所有している不動産が幾らで売れそうなのか?所有者としては気になるところです。
我々は依頼を受けるとまず要約書を請求し、不動産の固定資産税評価額や路線価、公示価格に基準値を調べます。また、現地調査をし、道路取付状況や境界を確認します。道路幅が狭小だと売りづらく、セットバックしなければいけない土地であったり、隣地のと建物の越境状況を見たり境界問題が起こりそうなのか、経験で権利関係に問題がないかを調べます。建物であれば中を拝見し、瑕疵状況の聞き込みをしたりします。相続物件など実際住んでいない建物は目視でしかできませんが、老朽建物は基本的に瑕疵があるのが前提で、リフォームできるのかどうかを判断します。リフォームするのにかなりの費用がかかりそうだと解体しての更地評価で提案します。この段階ですと正式に売却依頼を受けていないので、解体費用は概算です。解体業者も最近忙しそうです。この解体費用も全面道路が広く、機械が入るのと人的パワーで解体するとでは倍近く違いますので要注意です。また、荷物はあれば搬出費用が別途それなりにかかります。様々は評価額や最近の事例(成約事例もあれば売出事例もあります。)でその個別不動産の評価を査定します。ちなみに当社には三原市内であれば20年近くの過去の情報があります。不動産会社が提出する査定価格はあくまで周辺事例や豊富な経験値による客観的価格です。この「査定価格」は基本的に不動産会社によってそれ程違いがあってはいけません。不動産は同じもがないので、多少違いはありますが、せめて経験値による誤差として10%前後だと思っています。当然、インターネット上の事例しか知らないとか、建物状況を確認していないとか、グーグルマップの写真を添付しているような業者の査定価格はマユツバ物で売り物件欲しさに非常に高い価格をつける傾向があります。複数、査定依頼して一番高く提示してくる地元以外の業者は気を付けた方が良いでしょう。何故か査定書だけは立派なのです。
そして、その査定書に基づいて、残債状況や急ぎなのかどうか?その所有者の個人的な思いを聞いて「売出価格」に反映させます。当然、相場よりた高くても決定権は売主サイドにありますから仕方ありません。最近、程度や立地の良い物件が少なくなってきていますので、希少性のある4LDKのマンションや築10年以内の中古住宅は若干高めでも売れています。その逆もありますが・・・。ですから、査定価格とは別で物件によっては多少高めの売出価格もこちらで提案することもあります。このあたりが経験がモノを言います。そして、縁があって無事、成約できればそれが「成約価格」となります。ですから、査定価格より下がることもあれば上がることもあります。
整理しますと、一般の人には分かりづらいのかもしれませんが、実務の不動産取引においては「査定価格」「売出価格」「成約価格」があり、すべてがイコールではありません。話は変わりますが、不動産価格にはこの他、公的価格として、「固定資産税評価額」「公示価格」「基準値価格」「路線価評価額」といろいろあるので、一層分かりづらくなっているのかもしれないですね!
成約価格≦査定価格≦成約価格≦売出価格
by koeiomyo | 2017-06-06 12:00 | 不動産 | Comments(0)